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「構造設計」とは具体的にどういうこと?

ポイント①耐力壁

~横から押される力に耐える「強い壁」を取り入れること~

イメージ建物は、真上からの衝撃には耐えられますが、揺れや強風による横からの衝撃には弱い一面があります。たとえば、高く重ねた積み木を真上から押さえつけても倒れませんが、横から押すとあっさり倒れてしまいます。

そこで、横からの衝撃を補うための構造が「耐力壁」。
柱と梁で構成された長方形のフレームに、筋交いがたすき型に入るか、X字型に入るかによっても、その強度は変化します。また、構造用合板などを使って柱・梁も1枚のパネルに一体化してしまう場合もありますが、これも耐力壁となります。
建築基準法では、9段階の耐力壁が定められていますが、ここでは代表的な耐力壁のみ以下にご紹介します。

代表的な耐力壁と強さ / ( )はシルバニアホームの値

  筋かいを使った耐力壁 面材耐力壁
形状 片筋かい たすき掛け 片筋かい たすき掛け 面材耐力壁
仕様 30 x 90 45 x 90(45 x 105) 構造用合板 7.5mm(9mm)
片筋かい たすき掛け 片筋かい たすき掛け 片面
壁倍率 1.5倍 3.0倍 2.0倍 4.0倍 2.5倍(4.0倍)

この時の強度を「壁倍率」といい、建築基準法では0.5~5.0の間で定められます。数字が大きければ大きいほど、強度が高いことを意味します。
検討中の住宅会社が、どの耐力壁を採用しているかを、確認してみましょう。

ポイント②重心と剛心

~強い壁を偏りなく配置し「建物の重さの中心」と「建物の強さの中心」を近づけること~

建物の中心を「重心」、そして建物が持っている強さの中心を「剛心」と呼びます。地震などが発生して建物に水平の力が加わると、そのパワーは重心にもっとも強く作用します。しかし建物の一番強い部分は剛心であるため、重心と剛心の距離が離れていると「ねじれ」が生じて建物に想定以上の損傷を与えることがあります。
この現象は振り子にたとえると分かりやすいです。
「重心」はおもりで、「剛心」は支点です。揺れが生じた際に支点とおもりの距離が離れていると、重りは大きく揺さぶられ、右へ左へと不安定な動きを見せます。でもこの距離が短いと、当然揺れ幅は小さくなり、おもりの軌道も限定的です。

こうした「ねじれ」のリスクを減らすには、耐力壁などをバランスよく配置して、重心と剛心の距離を近づけることが必要です。
この距離を「偏心距離」といい、「偏心率」という数値で表されます。数値が0(ゼロ)に近いほど地震時の「ねじれ」に強い住宅となるため、設計ではこの2点をできる限り近づけるように構造計画することが大切です。木造住宅の偏心率は、2000年の建築基準法改正により「0.3以下であること」と規定されています。

※シルバニアホームの家は、さらに厳しい基準値「0.15」です。

  • 偏心距離が離れていると「ねじれ」が生じるイメージ
  • 地震の揺れに強い最も強い状態イメージ

ポイント③直下率

~2階の柱の真下に、柱を設置。この割合を多くすること~

2016年4月に発生した熊本地震では、新耐震基準に基づいて建てられた建物や、築10年未満の住宅が倒壊したケースがいくつもありました。そこで改めて注目されるようになったことの一つが「直下率」です。

直下率とは、1階と2階の柱や壁の位置が一致する割合を示した指標です。柱の直下率を「柱直下率」、耐力壁の直下率を「壁直下率」と呼び、この数値が低いと構造の安定性に影響が出ると言われています。
一方で直下率は、全体の数値が高ければよいというものではありません。全体的な直下率が高くても、部分的に低くなっていると(偏りがあると)、そこに問題が生じるケースもあります。耐震性を高めるためには、どの部分を検証しても数値が高く保たれていることが大切です。しかし、最近の2階建て住宅は1階に広いLDKを設けたり吹き抜けを作ったりとデザインや導線を重視することが多いため、1階と2階の柱や間仕切りラインを完全に揃えるのが難しくなっているのも事実です。

※シルバニアホームの家は、「スーパー格子床構造」で力を分散するので2階建て3階建て住宅をご検討されている方にはおすすめの構造です。

  • 直下率イメージ
  • 直下率イメージ

また、建築基準法や耐震等級では、直下率の基準を定めていないことも、プランが優先されてしまう原因の一つになっています。
概ね一般的に用いられる基準は「柱直下率60%以上」「壁直下率50%以上」と言われています。十分な耐震性能を発揮するために、覚えておきたい数字ですね。

ポイント④モノコック構造

~ジャンボジェットにも採用されている強固な躯体にすること~

モノコック構造とは、床・壁・天井の6面すべてが一体となる構造体のこと。一般的な柱と梁、筋交いだけの構造は、外部からの力が各部材の接合部分である「点」に集中しやすい欠点があります。これは十分な強度を発揮しにくい構造と言えます。しかし、6つの面で支えるモノコック構造では、どの方向から力が加わっても「面」でその力を分散します。

  • 一般的な在来工法イメージ
  • モノコック構造イメージ

地震や台風などの強い外力がかかったときでも、6面体の構造がその力を建物全体でしっかり受け止めることで、建物のねじれを防ぐことができるのです。もともとこの構造は航空機用に開発されたもので、ジャンボジェット機や新幹線、スペースシャトル、F1レーシングカーなどにも採用されるほど極めて強固な構造です。

木造住宅の場合、一般的には2×4住宅においてこのモノコック構造がアピールされるケースが多いようです。しかし、柱と梁で構成する木造軸組工法がベースでも、床と天井(2階の床)が耐力壁と一体となる「剛床」であれば、「モノコック構造」となります。

  • 剛床なしイメージ
  • 剛床工法イメージ

また、耐震性だけではなく面構造であることで、気密性や遮音性なども向上します。家づくりを計画する際は、「モノコック構造であるかどうか」も選択肢のひとつに入れてみてください。